甘酸っぱかったり、ゾクッとしたり。夏に読みたい8冊の本

ぞくっと背筋が凍ったり、青春の甘酸っぱさを思い出したり、爽やかですっきりとした気持ちになったり…。夏には、感情を揺さぶる本を読みたくなる。夏の文庫フェアに合わせて、夏を感じさせる本を読んでみませんか?タイトルに「夏」が入る『真夏の方程式』や『向日葵の咲かない夏』など、夏を連想させる8冊の本をご紹介します。

自分に夏の課題図書を課してみる

多くの出版社が文庫フェアを開催する夏。書店にはジャンルが異なる様々な本が並びます。
この機会に、学生時代を思い出して自分自身に課題図書を設けてみませんか?

今回は夏を感じさせる8冊の本をご紹介します。

真夏の方程式

東野圭吾の『真夏の方程式』は福山雅治主演で映像化もされたミステリー小説、ガリレオシリーズの第6作。
夏休みを過ごす少年と主人公・湯川との出会いは、事件をどのように導くのか?

全て解決し、スッキリ終わることが必ずしも良いとは限らない。
正義とは何かを考えさせられる1冊。

夏を拾いに

森浩美『夏を拾いに』は、まるで日本版スタンド・バイ・ミー。

父親が息子に誇りたい、昭和46年のひと夏の武勇伝。
スマホもゲームもなかった時代の、少年の夏の過ごし方は私たちの目に新鮮に映ります。

読了後、両親にの子供時代のことを尋ねたくなるかも。

東京ホタル

中村航、小路幸也、穂高明、小松エメル、原田マハによる『東京ホタル』は、隅田川のホタルを模した青い光るLED"いのり星"を題材にしたアンソロジー。

ホタルに込められた約束や想いに、心が揺さぶられる。
それぞれの作家さんが描くホタルの違いにも注目です。

すいかの匂い

江國香織の11篇の短編集『すいかの匂い』は、全て夏が舞台のお話。

どのお話も短いけれどとても印象的で、まるで自分自身の思い出を振り返っているよう。
子供の頃を思い出して、夏になるたびに手に取りたくなる。

向日葵の咲かない夏

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』は一気読みしたくなるサスペンス。

登場人物すべてに感じる違和感に何度も騙されて、全く想像できない展開にハラハラしっぱなし。
ラストの衝撃は、きっと忘れられません。

風待ちのひと

伊吹有喜のデビュー作『風待ちのひと』は、海辺の街で出会った二人の恋愛小説。

"心の風邪"を引き休職中の男と、家族を失い傷を抱える女。39歳の夏、同い年の二人は偶然に出会った。
大人の青春を感じさせてくれる1冊です。

夏と花火と私の死体

乙一のデビュー作である『夏と花火と私の死体』は衝撃のホラーサスペンス小説。

殺された9歳の少女の視点で語られる、殺人事件の死体隠蔽の記録。
16歳が書いたとは思えない、天才的な文章力に思わず引き込まれる。

暑い夏に背筋をゾクッとさせられます。

TUGUMI

吉本ばなな『TUGUMI』は美しい風景がキラキラ眩しい夏のお話。

病弱で生意気な美少女つぐみと、唯一の理解者まりあ。そんな二人が故郷で出会った恭一。海辺の小さな町を舞台に、少女と少年は出会う。

この本を読むと、無性に海に行きたくなりますよ。

夏こそ読書の季節です。

夏休みの読書感想文の宿題に追われていたあの頃が懐かしい。
夏こそ冷房の効いた部屋で、冷たいドリンクを片手に気の向くまま本を読むのが落ち着くんです。